小さな政府 small government 2003 9 3
昔から、「小さな政府」という議論があります。
しかし、今では、別の角度から「小さな政府」を要求される時代です。
ドッグイヤーとは、ハイテク業界で、よく言われる言葉です。
愛犬家からは異論がありますが、犬は、人間の7倍の速度で、年を取ります。
ハイテク業界も、技術革新が早いので、1年で、ひと昔となります。
この「ドッグイヤー現象」がハイテク業界だけでなく、他の業界にも押し寄せているのです。
このような状況で、政府の役割は、どうなるか。
今までは、こういう状況でした。
1年目で、審議会や検討委員会を作り、事業の内容を検討します。
2年目で、予算要求の作業をします。そして、予算の査定と予算の内示となります。
3年目で、事業の実施となります。
これでは、政府は、浦島太郎になります。
ドッグイヤーとは、1年が7年に相当します。
このようなやり方では、3年×7=21年となってしまいます。
こういう状況ですので、政府が時代の変化についていくのは無理です。
政府が、企業や個人のサポート役になる時代がきているのです。
政府は、企業や個人の活動を邪魔しないように求められる時代なのです。
あるいは、別の方法が考えられます。
たとえば、経済産業省に、予算を1000億円渡して、
「足りなくても、やり繰りする。余れば、翌年に使う。」という、やり方にすべきです。
今の予算のやり方は、
たとえば、国民に関心がある福祉で言えば、
高齢者在宅サービス予算、
高齢者施設整備予算など、
細かく予算科目があり、
このように、非常に小さな予算の積み上げで、予算が成り立っています。
子供の小遣いの予算で、
ジュース代500円、本代500円、ゲーム代500円、電車賃500円と、
細かく積み上げて、小遣いの予算要求をさせて、
たとえ、本代500円を使い果たしても、ゲーム代やジュース代から流用してはいけない。
さらに、小遣いが余れば、来月の小遣いは減らすとなっていて、
そこで、子供は、予算を使い切るように努力します。
今の政府の予算は、こうなっています。
これでは、予算が硬直化しますし、
時代の変化についていけません。
せめて、高齢者予算で、一括りにし、たとえば、お金を1000億円渡し、
これで、「足りなくても、やり繰りする。余れば、翌年に使う。」とすべきです。
いや、厚生労働省に、予算の細目を付けずに、
たとえば、1兆円のお金を渡し、
「足りなくても、やり繰りする。余れば、翌年に使う。」とすべきです。
今のような、事業の検討に1年、
予算要求の作成作業と予算査定に1年、
事業の執行は、事業の検討を始めてから、3年目で実施するというシステムでは、
もう時代の変化のスピードには、ついていけません。